何とかなるって!

アメリカで高校時代の夏のホームステイから大学院留学を経てアメリカ永住。そして起業へと繋がる私の話

ホストダットのアドバイス

 

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Eugene, OR

 

ホームステイが始まって2週間目に入った頃、すっかり生活にも慣れてホストがゆっくり喋ってくれれば何となくいろんなことがわかるようになり出した頃の話です。

月曜日から金曜日までの午前中はホームステイの参加者は教会のホールに集まって英会話のクラスを受けていました。アメリカのお祭りのことを学んだり、宿題でホストに質問するようなことが出たりしていました。午後は毎日遠足!大学のキャンパスがすぐ横にあったのでブックストアにオレゴンとデカデカと書かれたお土産のシャツや帽子を買いに行ったり、キャンパス内の池でカヌーに乗ったり、大きなショッピングセンターに行ったり、ラフティングに行ったりとオレゴンの大自然を楽しむことも出来ました。

 

ある日の夕方。夕食後に庭と言って良いのか分からないくらいの裏庭を散歩ではなく、散車?車で敷地内を連れて回ってくれました。ちょっと暗くなり始めている頃で全く外灯などがない森に向かってゆっくり車を走らせるホストダッド。どこへ行くの?状態でしたがすぐに分かりました。なんと、野生の鹿が何十頭もいるのを見せようと連れ出してくれたのでした。車のヘッドライトに鹿の目が反射するため、エンジンの音に気付いた鹿がじーっとこっちを見ているのが見えるのです。それも数えられない位の鹿!あんな光景はそれまで見たことがなかったし、その後もありません。なんとも感動的な光景でした。気付いたら「うわー」っと声をあげていました。それを聞いたホストダットは喜んでくれてよかったと言わんばかりにニッコリ。だんだんと迫りくる日暮れの中、何も言わずしばらく車を走らせて野生の鹿を見て回りました。

日本では出来ない経験をいっぱいし、英語がまだ喋れないながらも色々とコミュニケーションが取れるようになってきた私の中では「アメリカに住みたい」という気持ちがどんどん大きくなってきました。オレゴンで生活しながら感じた日本にはないなんとも言えない開放感がとても心地よくて。

鹿見物の後ホストダッドにオレゴン生活はどうかと聞かれた時に思わず言いました。「日本の学校やめて、オレゴンのダッドが教頭先生してる高校に行きたい。」と。彼はちょっとびっくりしているようでした。それは、そうですよね。日常会話さえ満足に英語で出来ない小娘がいきなりアメリカの高校へ行きたいっていうんですから。彼はその後ゆっくりと簡単な単語を使って私に諭すように話してくれました。

「その気持ちが分からなくも無いよ。日本の高校、学校は意味のなさげなルールがいっぱいあるみたいだし、こっちの方が広くてのんびりしているのも聞いて知ってるつもり。日本の学校はすぐ辞めれるし、こっちの学校に行くのもそれほど難しいことでは無い。でもね。自分の母国の高校を出ていない問いのは人生で大きなハンデになる可能性もあることを君はまだ若いから分からないだろう。こっちにきて全てうまく行くかもしれないけど、反対にうまくいかずに日本に帰ることになることもありうる。その時に日本の高校を出ていないというのはその先の選択肢が狭まってしまうということ。どこの国の出身であろうと、僕はその出身国の高校を出てからアメリカに留学することを勧める。必要以上のリスクを背負わないために。」

私が理解しているか確認しながら話してくれました。単純な私はすぐに納得。高校は日本の高校を出よう!と即断。ホストダッドは続けました。「この町にはオレゴン大学がある。僕もそこの卒業生。日本の高校を出たら、戻っておいで。そして僕の後輩になれば良い。」

 

今思うと、ダッドは本当に良いアドバイスをしてくれたと思います。実際彼は彼の勤める高校にいる留学生の世話をしていたようです。親がオレゴン大学に留学するのに連れてこられた子や、自分の意思で来ている子、親に留学してこいと背中を押された子、色々いたようです。その中で自分が親として、教師として学び感じたことを私に伝えてくれたのでしょう。あのホストとの出会いは本当にその後の私の人生の方向性を決めたとしみじみ思います。

 

 


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