何とかなるって!

アメリカで高校時代の夏のホームステイから大学院留学を経てアメリカ永住。そして起業へと繋がる私の話

アメリカの大学は氷河時代へ?

私がアメリカの大学で働き、部下を持つことになったのはアメリカで仕事を始めて3年半ぐらいしれからでした。アメリカに移民として戻って来たのが30歳になってすぐの頃で、2−3ヶ月ほどして大学でインターナショナルアドバイザーとして仕事を始めました。初めての職場でビジネスとしてのアメリカの大学という視点をガッツリと学びました。その学校はまさに株式会社のように経営されている学校でした。金儲けがうまいのなんの。働き始めるまでは全く知らなかったのですが創業者の家族経営で、学生の為というよりも一族の資産をいかに大学という組織を使って増やし続けるかということに視点が置かれているようなところでした。入って1ヶ月ほどで、ここには長くいても2年くらいかなとふと思ったことを覚えています。これといって嫌なことなどがまだ起こっていなかったにもかかわらず、入ってすぐにそんなことを思ったのはまさに虫の知らせだったような気がします。

ほぼ2年で転勤したのが私学の大学でした。その時も入るまで知らなかった事実が転職後すぐにいっぱい出て来ました。長期にわたって入学者数が減り続け、大学の財政がボロボロだったのです。外から見ているとそれなりにうまく回っているように見える大学ですが、アメリカの私立の小さな大学で財政的に問題を抱えず回せている大学はそれほど多くありません。アメリカの私立大学は日本の私立大学と違い国からの補助金を貰えるわけではないので授業料で全てのコストを賄わなくてはなりません。

有名校、伝統校の場合はエンダウメントと呼ばれる長年集めまくって運用した寄付金を元にした莫大な資本を持っている学校もありますがエンダウメントが小さすぎたり過去の経営難時にその元金を使ってしまったりしたケースも多いのです。また有名でない=寄付金が集まらないというサイクルが確立してしまうので有名でない小さい私学の大学運営はかなり厳しいのです。

 

英文の記事ですが、

https://www.wbur.org/edify/2019/10/21/small-colleges-big-challenges

この中でも有名校ほど授業料に頼らず大学運営をしているのが分かります。ハーバードやM I T(マサチューセッツ工科大学)などは10%ちょっとしか授業料に頼っていませんが、私立の女子大は70%も授業料に頼った運営がされています。

 

 

 

現在は特にオンラインで有名校のクラスをとり学位まで取れてしまえる時代。特色がない学校、ネームバリューがない学校は本当に経営が大変です。ですが大学は変化、変革に時間のかかる業界であるためなかなか時代に合わせて変われないのが致命傷になってしまいがちです。

 

実際のところ、学校を運営しているのは教授だった人達がほとんどなので、営利団体で働いた経験がない人たちが多すぎるというのは一つの問題点だと思います。非営利団体で働いている人と、一般の企業で働いている人の意識の違いは大きいです。言い換えると金儲けを第一に考えざるを得ない企業とトントンで回せればよく、儲けを出すことが目的ではない人たちの違いですね。非営利団体の職員の場合、金儲けを悪とみている人もいっぱいいました。

 

未だに大名商売しているような私立の無名校はこれからどんどん淘汰されていくと思います。

 

アメリカの小さい私学の大学、大学院留学を考えていらっしゃる方は在学中に自分の在籍する大学、大学院が倒産しないくらいの体力があるかを確認した方が良い時代でしょうね。学費に見合ったリターンを得られる高等教育を受けるために、しっかり調べてくださいね。

 

 


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